Japanese
English
特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
ABO血液型不適合生体肝移植における脾摘の意義
Significance of splenectomy in ABO-incompatible living-donor liver transplantation
田辺 稔
1
,
河地 茂行
1
,
尾原 秀明
1
,
篠田 昌宏
1
,
日比 泰造
1
,
下島 直樹
1
,
渕本 康史
1
,
星野 健
1
,
杜 雯林
2
,
坂本 亨宇
2
,
森川 康英
1
,
北川 雄光
1
Minoru TANABE
1
1慶應義塾大学医学部外科
2慶應義塾大学医学部病理
キーワード:
生体肝移植
,
ABO血液型不適合
,
脾摘
,
抗体関連急性拒絶反応
,
リツキシマブ
,
門注療法
Keyword:
生体肝移植
,
ABO血液型不適合
,
脾摘
,
抗体関連急性拒絶反応
,
リツキシマブ
,
門注療法
pp.467-475
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102529
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要旨:1985年にAlexandreらがABO血液型不適合腎移植における抗体関連拒絶反応を回避するための具体的な方法として,血漿交換による抗体除去と抗体産生の場である脾臓を摘出する方法を提唱して以来,脾摘はABO血液型不適合移植を行ううえで重要な役割を担ってきた.その後,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)やリツキシマブなどの新規免疫抑制剤や,術前の脱感作療法,肝移植では局所注入療法の導入により,ABO血液型不適合肝・腎移植の成績は近年さらに向上し,新たな時代を迎えつつある.本稿では血液型不適合移植の歴史を紐解くとともに,ABO血液型不適合の分野で常に肝移植の模範となってきた腎移植と比較しながら,ABO血液型不適合肝移植の動向と,変化しつつある脾摘の意義について触れたい.
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