門脈と脾臓のup date
脾臓 肝硬変に対する脾摘の意義と注意点
緒方 俊郎
1
,
奥田 康司
,
佐藤 寿洋
,
安永 昌史
,
佐藤 英博
,
井出 達也
,
佐田 通夫
,
木下 壽文
,
青柳 成明
1久留米大学 外科
キーワード:
Interferons
,
肝硬変
,
肝臓腫瘍
,
食道胃静脈瘤
,
脾臓摘出術
,
門脈
,
術後感染症
,
門脈血栓症
Keyword:
Esophageal and Gastric Varices
,
Interferons
,
Liver Cirrhosis
,
Liver Neoplasms
,
Portal Vein
,
Splenectomy
pp.63-67
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010069047
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脾摘を施行した肝硬変の134例について脾摘の意義および注意点を検討した。術後肝機能、食道静脈は有意に改善した。術後interferon(IFN)治療の完遂率は80.5%、sustained virological response(SVR)はgenotype 1 43.5%、2 90.0%であった。肝細胞癌合併例では全例肝細胞癌治療・再発治療が施行でき、5年生存率は29%であった。Danaparoid sodium併用の抗凝固療法では門脈血栓は8.1%に改善したが、脾重量1000g以上の症例では抗凝固療法中止後の門脈血栓にも注意が必要である。脾摘前後で細菌感染の頻度に有意差はなかったが、脾重量1000g以上、術後門脈血栓、IFN投与中の好中球数減少は術後細菌感染のリスクファクターであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010