Japanese
English
特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
膵癌に対する脾温存膵全摘術―われわれの経験から
Clinical implication of spleen-preserving total pancreatectomy for pancreatic cancer
富川 盛啓
1
,
菱沼 正一
1
,
原尾 美智子
2
,
尾澤 巖
1
,
尾形 佳郎
1
Moriaki TOMIKAWA
1
1栃木県立がんセンター外科
2熊本大学大学院医学薬学研究部消化器外科
キーワード:
脾温存膵全摘術
,
脾動静脈合併切除
,
膵癌
Keyword:
脾温存膵全摘術
,
脾動静脈合併切除
,
膵癌
pp.441-445
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102524
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:胃全摘術や膵体尾部切除術において,脾機能温存の観点から脾臓を温存することが勧められているが,膵癌に対する膵全摘術においても同様に,根治性が損なわれない限り脾臓を温存することにより,術後のQOL維持が図られる可能性がある.脾温存膵全摘術を施行する際には,脾臓への血流温存がさらに重要な問題となるが,脾動静脈を全長にわたり温存する術式以外にも,今回われわれが経験した脾動静脈を合併切除したうえで短胃動静脈を温存し,敢えて脾の脱転・授動を行わずに後腹膜を介する血行路を温存することで脾臓の静脈還流を確保する術式も十分安全に施行できる可能性がある.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.