特集 肛門疾患診療のすべて
14.Crohn病における肛門病変の診断と治療
Crohn病における肛門病変の診断と治療
二見 喜太郎
1
,
河原 一雅
1
,
東 大二郎
1
,
紙谷 孝則
1
,
成富 一哉
1
,
永川 祐二
1
,
平野 憲二
1
,
富安 孝成
1
,
石橋 由紀子
1
,
下村 保
1
Kitaro FUTAMI
1
1福岡大学筑紫病院外科
pp.301-307
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102348
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要旨 Crohn病に合併する肛門病変の特徴は,痔瘻,膿瘍を中心に裂肛・潰瘍,皮垂など多岐にわたる病変が多発混在することにあり,特に痔瘻・膿瘍は若年で発症することも多く,Crohn病の初発症状としても重要となる.外科治療の対象は難治性の痔瘻・膿瘍となるが,易再発性であるため確かな病変の評価を行い,長期的には肛門機能の保持を考慮した対応が肝要で,安易に完治を求めるべきではない.また,局所治療とともに腸病変の評価も欠かせぬものであり,特に直腸の活動性病変のコントロールは必須である.長期経過例に対しては常に癌合併を念頭に置いた検索を忘れてはならない.
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