特集 肛門疾患診療のすべて
15.小児の肛門疾患の診断と治療
小児の肛門疾患の診断と治療
浅桐 公男
1
,
八木 実
1
Kimio ASAGIRI
1
1久留米大学医学部外科学講座小児外科部門
pp.311-317
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102349
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要旨 新生児期の代表的な肛門疾患は鎖肛(直腸肛門奇形)である.鎖肛は直腸肛門の形成異常の総称で,会陰・肛門部に肛門が開口していないものから肛門の位置異常まで含まれる.鎖肛の診断と治療にあたっては病型と肛門挙筋群の関係を十分に把握することが重要である.乳児期に多く認められる肛門疾患は肛門周囲膿瘍と痔瘻で,幼児期には裂肛と肛門直腸脱の頻度が増してくる.いずれの疾患も成人でも認められるが,小児では難治性になることは少なく,保存的治療で十分に治癒が期待できるため,安易に手術を行うべきではない.
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