特集 肛門疾患診療のすべて
12.直腸肛門痛の診断と治療
直腸肛門痛の診断と治療
壬生 隆一
1
Ryuichi MIBU
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.287-292
発行日 2008年10月22日
Published Date 2008/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102346
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要旨 直腸肛門痛はROME Ⅲでは機能性直腸肛門障害のなかで機能性直腸肛門痛として取り上げられ,慢性直腸肛門痛と消散性直腸肛門痛に分類されている.慢性直腸肛門痛は肛門挙筋症候群と非特異的機能性直腸肛門痛に細分類されている.この疾患では会陰神経の走行部位と肛門括約筋に自発痛を発症し,直腸肛門部に圧痛がある.診断に際して特別な検査法はなく,器質的疾患を除外することが求められる.治療ではまずこの疾患に対する正しい知識を与え,安心感を得てもらう.日常生活では腰を冷やさないようにして,入浴により温まることを勧める.非侵襲的治療としては特別な方法はないので,有効であると報告された方法のうち各施設で可能なものを行うとよい.
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