Japanese
English
特集 がんの切除範囲を考える―診断法とその妥当性
乳房温存手術の適切な切除範囲を考える
Optimal extent of surgical resection in breast-conserving surgery
紅林 淳一
1
Junichi KUREBAYASHI
1
1川崎医科大学乳腺甲状腺外科
キーワード:
乳癌
,
乳房温存手術
,
切除範囲
,
画像診断
,
術中迅速病理診断
Keyword:
乳癌
,
乳房温存手術
,
切除範囲
,
画像診断
,
術中迅速病理診断
pp.1233-1239
発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102258
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要旨:乳癌の根治的な手術術式は,かつては乳房切除術が主流であり,乳房全体を切除するため切除範囲が問題となることはなかった.最近,乳房を部分切除する乳房温存手術が盛んに行われるようになり,乳房の適切な切除範囲を決める必要が出てきた.切除範囲が不十分な乳房温存手術は局所再発率が高く,局所再発例では再手術(主に乳房切除術)が必要となる.乳房温存手術を行う際は,切除断端を陰性化させる努力が必要である.乳癌は乳管内進展,周囲組織への浸潤,高度なリンパ管侵襲を示す例があり,術前の注意深い画像診断が必要である.本稿では,原発腫瘍の適切な切除範囲を決めるための画像診断や術中迅速病理診断の有用性や問題点を解説する.
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