Japanese
English
特集 がんの切除範囲を考える―診断法とその妥当性
甲状腺癌の切除範囲を考える
Surgical treatment of thyroid cancers
阿美 弘文
1
,
鈴木 眞一
1
,
竹之下 誠一
1
Hirofumi AMI
1
1福島県立医科大学外科学第2講座
キーワード:
甲状腺癌
,
外科治療
,
甲状腺全摘
,
リンパ節郭清
Keyword:
甲状腺癌
,
外科治療
,
甲状腺全摘
,
リンパ節郭清
pp.1227-1232
発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102257
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要旨:甲状腺癌は組織型によって診断治療の方針が異なる.甲状腺癌の大部分を占める乳頭癌では甲状腺亜全摘が行われることが多かったが,根治性,合併症の頻度,術後の経過観察,再発時の対応の問題から亜全摘の意義は小さくなった.年齢や病状によって片葉切除または全摘を選択し,同様にリンパ節郭清の範囲を決めている.浸潤型濾胞癌では甲状腺の全摘が必要である.術前診断の困難な被包型濾胞癌ではリンパ節郭清は必須ではないが,術後組織学的に脈管侵襲を認めたものに対しては残存甲状腺全摘術の適応となる.未分化癌では集学的治療を要するが,治療抵抗性できわめて予後が悪く,緩和医療も考慮した治療戦略を立てる必要がある.髄様癌は多発性内分泌腫瘍症2型との関連が治療上も問題となり,治療方針の決定にも家族性腫瘍としての取り扱いが必要である.
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