Japanese
English
特集 がんの切除範囲を考える―診断法とその妥当性
食道癌の切除範囲を考える
Esophageal cancer
加藤 広行
1
,
中島 政信
1
,
斉藤 加奈
1
,
桑野 博行
1
Hiroyuki KATO
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学
キーワード:
食道癌
,
切除範囲
,
上皮内伸展
,
壁内転移
,
脈管侵襲
Keyword:
食道癌
,
切除範囲
,
上皮内伸展
,
壁内転移
,
脈管侵襲
pp.1175-1181
発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102247
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要旨:食道癌の外科治療において,その至適切除範囲は原発巣を含めた食道および胃上部の切除,リンパ節の郭清および隣接臓器の合併切除の有無によって決定されている.食道の切除範囲は食道壁内の病巣進展範囲とリンパ節の郭清範囲という両方の点から慎重に判断する必要がある.食道の切除範囲には主病変に連続する上皮内進展,壁内転移,脈管侵襲(リンパ管侵襲と静脈侵襲)などの併存病変,および多発癌などを含めることが必要である.手術前に内視鏡や各種画像診断を行ったにもかかわらず,壁内転移や脈管侵襲などの非連続的な上皮下進展のため切除断端が陽性になることが稀ではない.そのため,綿密な手術前検査および切除標本による組織学的評価が重要であり,必要に応じて追加療法を検討することも肝要である.
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