Japanese
English
臨床研究
頸部刺創による気管損傷―当院における緊急気道確保と緊急手術に関する検討
Penetrating cervical tracheal injury: a clinical study of emergency airway management and operation
森脇 義弘
1
,
山本 俊郎
1
,
豊田 洋
1
,
小菅 宇之
1
,
鈴木 範行
1
,
杉山 貢
1
Yoshihiro MORIWAKI
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
キーワード:
鋭的頸部気管損傷
,
気道緊急
,
緊急気道確保
,
緊急手術
Keyword:
鋭的頸部気管損傷
,
気道緊急
,
緊急気道確保
,
緊急手術
pp.689-693
発行日 2008年5月20日
Published Date 2008/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102135
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はじめに
頸部の鋭的切刺創は自損や他害行為によって生じる,日常的に経験される外傷形態である.自損行為の増加に伴って,前腕切創と並んで診療機会も増加しているが,そのほとんどが前頸筋や胸鎖乳突筋の損傷にとどまり,頸部大血管や喉頭,気管,食道などの臓器損傷,致命的損傷は稀である.喉頭・頸部気管損傷は開放性気道損傷で,呼吸不能や血液の気管内垂れ込みから気道緊急に陥ることも多い.この場合,気道確保が緊急となるが,院外や初期治療室(emergency department:以下,ED)など悪条件下での緊急気管挿管の危険性や困難性もよく知られている1,2).損傷という既存病変のある気管挿管では危険性はさらに増加する.
今回,自験の頸部鋭的気管損傷症例の気道確保法を含めた診療法について検討し,2,3の知見を得たので報告する.
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