Japanese
English
特集 機能温存手術のメリット・デメリット
食道癌に対する機能温存手術のメリット・デメリット―迷走神経温存・下部食道切除・有茎空腸間置術の手技と術後機能評価
Gastric function preserving esophagectomy(GPE)for lower esophageal cancer
猶本 良夫
1
,
白川 靖博
1
,
田辺 俊介
1
,
藤原 康宏
1
,
山辻 知樹
1
,
羽井佐 実
2
,
田中 紀章
1
Yoshio NAOMOTO
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・腫瘍外科
2岡山市立市民病院外科
キーワード:
食道癌
,
機能温存手術
,
迷走神経
Keyword:
食道癌
,
機能温存手術
,
迷走神経
pp.17-23
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101994
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:胃癌,大腸癌手術に対する機能温存手術とともに,食道癌手術においても機能温存手術の開発が望まれている.本稿で報告する迷走神経温存・経食道裂孔的下部食道噴門切除・有茎空腸間置再建術は,明らかなリンパ節転移のないLt Aeのほぼ全周に及ぶバレット食道表在癌で切除が必要な症例,さらに,多発癌を有する症例を適応とした.また,Lt,Aeの表在型扁平上皮癌で明らかなリンパ節転移のないハイリスク症例や高齢者症例も対象とした.本術式迷走神経温存・下部食道切除・有茎空腸間置術(Gastric-function Preserving Esophagectomy:GPE)は根治性という点から適応は限られるが,今回の術後機能評価によって術後長期的なquality of life(QOL)に貢献し得る術式であると考えられた.特に,GPEはEMR(ESD)症例と通常のリンパ節郭清を伴った食道切除再建術症例の術後QOLにおけるギャップを埋める治療法として位置づけられる可能性が示唆された.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.