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特集 機能温存手術のメリット・デメリット
咽頭癌に対する機能温存手術のメリット・デメリット―術後合併症,QOL,根治度
Conservation surgery for pharyngeal cancer
甲能 直幸
1
Naoyuki KOHNO
1
1杏林大学医学部耳鼻咽喉科
キーワード:
咽頭癌
,
喉頭温存
,
嚥下性肺炎
,
早期癌
,
リハビリテーション
Keyword:
咽頭癌
,
喉頭温存
,
嚥下性肺炎
,
早期癌
,
リハビリテーション
pp.13-16
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101993
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要旨:咽頭は口腔から食道につながる食物の通り道であるとともに,鼻・口腔から肺につながる空気の通り道でもある.咽頭癌における機能温存治療のためには喉頭の温存が基本となる.咽頭癌において機能温存手術によって喉頭が温存されると発声が可能となり,外見的にも正常に近い呼吸・嚥下が行える.審美的にも大きなメリットがある.喉頭を喪失すると前頸部に開いた永久気管孔から空気を吸うため,発声も困難となる.デメリットは,機能温存手術によって喉頭が温存されても,ただちに従来の機能が使用できるわけではなく,辛く過酷なリハビリテーションを経てはじめて可能となることであり,大きな努力が必要である.また,現状では,ごく限られた早期癌にしか適応はないので,これらが機能温存手術の限界であり,今後の課題でもある.
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