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特集 機能温存手術のメリット・デメリット
肝腫瘍に対する機能温存手術のメリット・デメリット
Function preserved hepatectomy for hepatocelluler carcinoma
小寺 由人
1
,
片桐 聡
1
,
山本 雅一
1
Yoshihito KOTERA
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
キーワード:
機能温存手術
,
系統的切除
,
肝区画切除
Keyword:
機能温存手術
,
系統的切除
,
肝区画切除
pp.45-49
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101998
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要旨:慢性肝炎やアルコール性肝炎,肝硬変合併の肝細胞癌に対して残肝機能を温存するためには,区画単位の切除術(亜区域より小さな系統的肝切除術)や静脈還流不全による肝機能低下を防ぐため静脈走行に留意することなどの工夫が必要である.残肝機能の予測にはICG 3点法によるICG R 15値と予想残肝体積値を用いて残肝ICG値を予想することで許容肝切除量を求めることができる.背景肝が正常肝の場合は,残肝ICG R 15値が50%を,硬変肝の場合は40%を超えなければ切除することが可能と判断できる.しかし,肝細胞癌の転移様式が経門脈的経路をたどることを考慮すると,根治性を高めるうえでは確実な系統的切除が必要となり,背景肝の肝機能および残肝機能を予測し,切除術式を工夫することで肝機能を温存しつつ根治性を高めた手術を行うことができる.
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