Japanese
English
特集 機能温存手術のメリット・デメリット
下部直腸癌に対する肛門機能温存手術のメリット・デメリット
Anal-function preserving surgery for low rectal cancer
奥田 準二
1
,
田中 慶太朗
1
,
近藤 圭策
1
,
加藤 哲也
1
,
茅野 新
1
,
田代 圭太郎
1
,
谷川 允彦
1
Junji OKUDA
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
キーワード:
低位前方切除術
,
肛門機能温存術
,
超低位直腸切除術
,
prolapsing法
,
経肛門的括約筋部分切除法
Keyword:
低位前方切除術
,
肛門機能温存術
,
超低位直腸切除術
,
prolapsing法
,
経肛門的括約筋部分切除法
pp.35-43
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101997
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:下部直腸癌に対しては,癌手術としての根治性を落とさずに肛門機能を温存する肛門機能温存手術が広く求められている.近年,従来の低位前方切除術に加えて経肛門的操作を併用した超低位直腸切除術による肛門機能温存の有用性が報告されるようになってきた.特に,経肛門的括約筋部分切除を併用した超低位直腸切除術は最先端の肛門機能温存手術として期待されている.この術式においても不用意な合併症(特に縫合不全)や予期せぬ再発(特に局所)を回避して良好な肛門機能を温存することが最も重要である.そのためには,適応選択と術中判断を適切に行って的確な切除と安全な吻合を完了することが要求される.一方で,肛門機能温存が十分でない場合などには,直腸切断術よりQOLが悪くなることなども含めて術前に十分なインフォームド・コンセントを得ておくことも必要不可欠と考えられる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.