カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・7
Hanging maneuverによる肝切離術
高槻 光寿
1
,
兼松 隆之
1
Mitsuhisa TAKATSUKI
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科移植・消化器外科
pp.1469-1476
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101926
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はじめに
Hanging maneuver(以下,HM)はフランスのBelghitiら1)によって2001年に発表された手術手技であり,inferior vena cava(以下,IVC)と肝の間に盲目的にテープを通すことによって,肝を授動することなく肝右葉切除を安全に行える方法として報告された.多くの肝臓外科医は目からウロコが落ちる思いをするのと同時に,「そんなことが本当に可能なのか」という疑問を抱いたはずである.やがて,肝部IVCにおいて右肝静脈と中肝静脈流入部の間には長軸方向に幅約1cmの無血管野が大多数の症例で存在することが解剖学的に検証され2,3),その有用性から肝臓外科の重要な手術手技の1つとして一般化されつつある.
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