外科領域のpros and cons
肝切除にhangingは必要か 必要派
七島 篤志
1
,
阿保 貴章
,
永安 武
1長崎大学 腫瘍外科
キーワード:
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
治療成績
Keyword:
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Treatment Outcome
pp.1595-1599
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015031174
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Liver hanging maneuverは2001年にBelghitiらに提唱されて以降,世界的に急速に導入・普及した近代肝切除の新技術の一つである.解剖学的知見からも手技の理論的妥当性が証明されている.肝切除における前方アプローチは肝周囲剥離・脱転操作を制限し,創部短縮,リンパ漏軽減,腫瘍の揉み出し予防に利点があり,巨大肝腫瘍や生体移植ドナーでの侵襲軽減などで必要性が求められている.Hangingは手指の入らない狭い空間を挙上でき,通常の脱転操作と考えれば決して特殊な手技ではない.肝腫瘍の占居部位や大きさでhangingを必要とする症例はあり,また解剖学的ランドマークが定められるため,若手肝臓外科医の修練に有用である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014