外科学温故知新・22
ヘルニアの外科
柏木 秀幸
1
Hideyuki KASHIWAGI
1
1東京慈恵会医科大学外科
pp.937-943
発行日 2007年7月20日
Published Date 2007/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101734
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 はじめに
ヘルニア〔hernia,hernie(hernia),bruch〕は,広義には臓器または組織の全体あるいは一部が体壁や体腔内の裂隙,陥凹部,組織の欠損部を通じて,その正常の位置から逸脱した状態と定義されている.ヘルニアと言えば鼠径ヘルニアが思い浮かべられるが,腹部臓器以外の臓器でもヘルニア状態を呈することがある.
本稿では誌面の関係もあるので,ヘルニアの代表的な疾患である鼠径ヘルニアの外科治療の歴史を振り返ってみる.ただし,鼠径ヘルニアの歴史は非常に古く,外科学の歴史そのものに近いものであるので,外科治療そのもののあり方を求める旅となるのかもしれない.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.