腹部良性疾患に対する外科治療の最前線
食道裂孔ヘルニア
矢野 文章
1
,
小村 伸朗
,
坪井 一人
,
三森 教雄
,
柏木 秀幸
,
矢永 勝彦
1東京慈恵会医科大学 消化管外科
キーワード:
食道裂孔ヘルニア
,
腹腔鏡法
,
胃底皺襞形成術
,
アブレーション技術
,
ヘルニア縫合術
,
短胃動脈
Keyword:
Hernia, Hiatal
,
Laparoscopy
,
Fundoplication
,
Ablation Techniques
,
Herniorrhaphy
pp.1-8
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016089683
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食道裂孔ヘルニアは,滑脱型ヘルニア(I型),傍食道型ヘルニア(II型),混合型ヘルニア(III型),複合型ヘルニア(IV型)に分類される.逆流性食道炎を伴うことが比較的多く,上部消化管内視鏡検査のみで診断されることもしばしばあるが,ヘルニアの診断に関しては上部消化管造影がもっとも有用である.無症状例では経過観察してもよいが,内科的治療抵抗性で患者の生活の質(QOL)が低下している場合には,外科的治療を考慮する.また傍食道型ヘルニアでは,時に嵌頓や軸捻転,胃壁壊死や胃穿孔にいたった報告もあり緊急手術を要することがある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016