Japanese
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特集 胃癌術後のフォローアップ:再発と二次癌対策
残胃胃炎が最近注目される理由とその治療の実際
Topics of gastritis of remnant stomach and its practical treatment
柏木 秀幸
1
,
石橋 由朗
1
,
小村 伸朗
1
,
萩原 栄一郎
1
,
青木 照明
1
Hideyuki KASHIWAGI
1
1東京慈恵会医科大学外科
キーワード:
残胃胃炎
,
胆汁
,
Helicobacter pylori
Keyword:
残胃胃炎
,
胆汁
,
Helicobacter pylori
pp.1374-1381
発行日 2000年11月20日
Published Date 2000/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904289
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従来,残胃胃炎の研究は,内視鏡診断,組織診断のもとに行われ,その要因として,胆汁,十二指腸液の関与が指摘されていた.しかし,1990年代において,胃炎におけるHelicobacter pylori(以下HP)のかかわりが明らかとなり,消化性潰瘍,胃癌,MALTリンパ腫への関与も明らかとなりつつある.胃切除術の適応となる疾患のHP感染率は高く,残胃胃粘膜は術前のHP感染胃炎の状態を残すことになるが,術後経過において,次第に十二指腸液逆流の影響による修飾を受けている.HP感染のかかわりの解明は,個々の症例における残胃胃炎の病態を明確にすることになる.このことは残胃胃癌の予防にも関連した問題であり,その病態解明や治療が注目を浴びるようになってきた.
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