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特集 消化器外科術後合併症の治療戦略―私たちはこのように治療している
門脈合併切除再建後の門脈血栓閉塞
Portal venous thrombosis after surgery combined with portal vein resection
杉本 博行
1
,
中尾 昭公
1
Hiroyuki SUGIMOTO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科
キーワード:
門脈血栓
,
門脈合併切除
,
超音波ドプラ検査
,
血栓除去術
,
血栓溶解療法
Keyword:
門脈血栓
,
門脈合併切除
,
超音波ドプラ検査
,
血栓除去術
,
血栓溶解療法
pp.1625-1629
発行日 2006年12月20日
Published Date 2006/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101658
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要旨:門脈血栓症は様々な疾患を背景として生じる.術後門脈血栓症としては脾摘後門脈血栓症が多い.門脈合併切除後は吻合部狭窄がある場合は容易に血栓を形成する.術後早期門脈血栓症では側副血行路の発達が期待できないため,早期診断と治療が重要である.超音波検査では新鮮な血栓は低エコーに描出され,カラードプラでの診断は感度,特異度とも高い.完全閉塞例では血栓除去術を第一に考慮する.晩期血栓症に対しては保存的治療が選択されることが多い.血栓溶解療法が行われ,使用薬剤はウロキナーゼや組織プラスミノゲンアクチベーター,ヘパリン,低分子ヘパリン,ダナパロイドナトリウム,antithrombin Ⅲ,ワーファリンがある.投与経路として全身,上腸間膜動脈経由,門脈内,TIPSが報告されている.
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