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特集 術後合併症への対処法 Surgical vs Non-Surgical―いつどのように判断するか?
肝胆膵領域
門脈切除以外での門脈血栓への対処法
Portal vein thrombosis(excluding portal vein resection)
杉本 博行
1
,
小寺 泰弘
1
Hiroyuki SUGIMOTO
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.828-833
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105114
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【ポイント】
◆門脈血栓症の治療には手術,抗凝固療法,血栓溶解療法などがあるが,門脈に直接手術操作が及ばない術後門脈血栓症に対しては抗凝固療法が第一選択となることが多い.
◆急性期の手術は臨床症状の有無により判断され,腸管虚血を伴うものは絶対的手術適応となる.また,門脈完全閉塞例で抗凝固療法の効果が期待できない症例に関しては血栓除去術の相対的適応となる.
◆手術による血栓除去は,術後急性期(数日以内)には積極的に施行されるが,門脈切除を伴わない手術においては急性期の完全門脈閉塞は稀である.慢性期には胃・食道静脈瘤をはじめとする消化管出血や門脈圧亢進症などの合併症に対する治療として手術が選択されることがある.
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