発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005268585
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門脈血栓症はさまざまな基礎疾患を背景に起る.血栓の発達が急速で上腸間膜静脈まで血栓が拡大した場合には,腸管のうっ血や壊死をきたすことより緊急手術を要することもあるが,反対に血栓の発育が緩徐である場合には数ヵ月以内に側副血行路が形成され肝外門脈閉塞症(EHO)となる.門脈血栓に対する治療としてはurokinaseやt-PAを用いる血栓溶解療法,heparinやwarfarinを用いる抗凝固療法の投与が投与経路に関係なく有用であるが,腸管の循環障害をきたす場合,血栓摘除術が行われることもある.EHOによる門脈圧亢進症に対しては食道静脈瘤を制御することが治療の主体となる.生体肝移植においては,術前に門脈の血栓の有無を評価することが重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005