特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩
第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践
クリニカルパス作成の実例
6.下部消化管
直腸切断術のクリニカルパス
長谷川 洋
1
,
小木曽 清二
1
,
坂本 英至
1
,
伊神 剛
1
,
森 俊治
1
,
田畑 智丈
1
,
河合 清貴
1
,
杉本 昌之
1
,
深見 保之
1
,
丹羽 美和子
2
,
梶田 あゆ美
2
Hasegawa Hiroshi
1
1名古屋第二赤十字病院外科
2名古屋第二赤十字病院ストーマ外来
pp.209-216
発行日 2003年10月22日
Published Date 2003/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101580
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はじめに
近年,わが国でも医療の質と効率の向上を目指してクリニカルパス(以下,パス)が導入され,全国的に普及しつつある.当科でも腹腔鏡下胆囊摘除術,ヘルニア修復術などバリアンスの少ない術式からパスの導入が始まり,乳癌手術,幽門側胃切除術,結腸癌手術などに次第に適応を広げつつあり,現在10種類のパスが実際に運用され,効果をあげている.しかし,直腸切断術の場合は術式が術前に必ずしも決定しないこと,閉鎖孔リンパ節の郭清の有無とその程度,それに伴う排尿障害の問題,会陰部の死腔感染などバリアンスとなる因子が比較的多いのでその意義に関してはまだ不確定な部分も多い.今回呈示するパスは筆者らが現在行っている術式,郭清度を標準として設定し作成されているが,今後評価を繰り返しながら改訂していく必要があると考えている.
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