発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002228180
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過去4年間における消化器外科手術後に発症したメチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)腸炎13例を臨床的に検討した.原疾患のうち,下部消化管疾患は8例であった.術前に消化管通過障害を呈した症例は6例あり,そのうち下部消化管が5例を占めた.術後2週間以内の下痢発症が10例であった.また,全例,術前後に,何らかの形で低酸から無酸の状況に曝されていた.術後MRSA腸炎発症のリスクファクターは,消化管通過障害を有する下部消化管疾患と,H 2-blockerなどの抗潰瘍薬の投与であると考えられ,術後1~2週間に発症した下痢患者では術後MRSA腸炎の発症を念頭に置き,早期診断とバンコマイシン投与などの早期開始が重要であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002