発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003005150
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過去10年間における腫瘍径20mm未満の直腸カルチノイドの7例を検討し,術式の選択の基準を考察した.経肛門的腫瘍切除術の3例は,EUSの術前深達度診断は全例smで,最大腫瘍径は12mmが1例,5mmが2例で腫瘍は全例Rbに存在し,中心陥凹(-)であった.術後4,5,6年と無再発生存中である.経仙骨的腫瘍切除術の2例は,深達度は両例smで,1例で直腸周囲のリンパ節転移陽性であったが,患者の希望により追加手術は施行せず,術後9年無再発生存中である.1例は術後3年で異時性肝転移をきたし,肝切除後3年経過したが無再発生存中である.低位前方切除術は2例で,1例は深達度診断sm,最大腫瘍径8mmのRaに存在する中心陥凹(-)で,内視鏡的腫瘍切除を先行した.脈管侵襲が高度であったため低位前方切除術を施行した.他の1例はRaに存在し,深達度mp及び直腸周囲のリンパ節転移を認めた.2例とも排便回数は多いものの無再発生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2002