Japanese
English
特集 外科における重症感染症とその対策
術後重症感染症への対応
術後重症腹腔内感染症への対応
Postoperative intra-abdominal infection
福島 亮治
1
,
冲永 功太
1
Hukushima Ryoji
1
1帝京大学医学部外科
キーワード:
腹腔内膿瘍
,
嫌気性菌
,
細菌毒素
,
炎症性サイトカイン
,
臓器不全
Keyword:
腹腔内膿瘍
,
嫌気性菌
,
細菌毒素
,
炎症性サイトカイン
,
臓器不全
pp.47-52
発行日 2003年1月20日
Published Date 2003/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101302
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨:術後腹腔内感染症は消化器外科領域で最も重大な術後合併症であり,重篤化すると多臓器不全から患者を死に至らしめる.重篤化の機序としては,嫌気性菌を含む複数の起炎菌による病原性の上昇,細菌毒素の関与,免疫細胞による過剰な炎症性メディエーターの産生などが考えられている.術後は,手術によってprimingされた状態にある免疫細胞が,引き続く感染によって過剰な生体反応を惹起するので,臓器障害を起こしやすい状態にあるといえる.治療は適切なドレナージと抗菌薬投与が大きな柱となるが,術後の腹腔内感染はすでに抗菌薬が投与されている状態で発症するため,これらの抗菌薬に対して感受性のない菌による混合感染が多いことを念頭においておく必要がある.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.