Japanese
English
特集 外科における重症感染症とその対策
術後重症感染症への対応
術後重症呼吸器感染症への対応
New strategy for postoperative and severe respiratory infection
村田 厚夫
1
,
樽井 武彦
1
,
井上 哲也
1
,
山口 均
1
,
山口 芳裕
1
,
島崎 修次
1
Murata Atsuo
1
1杏林大学医学部救急医学
キーワード:
術後呼吸器感染
,
生体防御反応
,
CARS
,
サイトカインモデュレーション
Keyword:
術後呼吸器感染
,
生体防御反応
,
CARS
,
サイトカインモデュレーション
pp.37-45
発行日 2003年1月20日
Published Date 2003/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101301
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨:外科手術などの侵襲に対する生体反応をSIRS・CARSで捉える概念があるが,実際には損傷を受けた局所では「急性炎症」が起こっており,一方で全身は「抗炎症性」に傾いている.局所の炎症が全身に広がらないようにした,これも一種の生体防御反応かもしれない.異物(微生物)につねにさらされている肺は,高齢者における術後や重症患者に対する人工呼吸管理でダメージを受けやすい.それが術後急性肺障害やARDSの発症につながり,人工呼吸管理自体が長期化するとVAP(ventilator-associated pneumonia)や院内感染としての肺炎が起こる.
呼吸管理だけでなく,侵襲に対する生体防御反応を修飾する新しい治療戦略としてのサイトカインモデュレーション,とくにG-CSFを用いた戦略が期待される.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.