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特集 手術のための臨床局所解剖
膵手術のための臨床局所解剖
Local anatomy associated with pancreatic surgery
鈴木 康之
1
,
藤野 泰宏
1
,
黒田 嘉和
1
Yasuyuki SUZUKI
1
1神戸大学大学院医学系研究科消化器外科学
キーワード:
膵頭十二指腸切除術
,
膵全摘術
,
膵体尾部切除術
Keyword:
膵頭十二指腸切除術
,
膵全摘術
,
膵体尾部切除術
pp.621-626
発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100440
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要旨:膵臓の外科手術は消化器外科領域でも難易度が高く,膵液瘻など術後合併症の頻度も低くない.習熟した膵臓外科医のチームが充実した設備を有し,かつ複数の診療科の協力を常時得られる環境で行うべき手術である.周囲には総胆管,総肝動脈,固有肝動脈,上腸間膜動脈,上腸間膜静脈,門脈など重要な脈管が走行し,それらの正常な解剖を熟知していないと,術中に大量出血や深刻な副損傷につながり得る.炎症や腫瘍の進展などで修飾が加わると,さらに手術の難易度が上がる.術式は多様であり,病変部位によって膵頭十二指腸切除術,膵体尾部切除術,膵全摘術,また慢性膵炎や急性膵炎に対する手術,良性腫瘍に対する核出術やいくつかの低侵襲手術も考案されている.膵手術のための臨床局所解剖を述べるにあたり,本稿では「総論」および「各論」を「膵頭十二指腸切除術」,「膵全摘術と膵体尾部切除術」,「脾動静脈温存膵体尾部切除術」に分け,必要な局所解剖を項目ごとに概説した.
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