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特集 手術のための臨床局所解剖
鼠径部ヘルニア手術のための臨床局所解剖
Surgical anatomy of the inguinal region for hernia repair
篠原 尚
1
,
水野 惠文
1
Hisashi SHINOHARA
1
1兵庫県立尼崎病院外科
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
大腿ヘルニア
,
局所解剖
Keyword:
鼠径ヘルニア
,
大腿ヘルニア
,
局所解剖
pp.627-636
発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100441
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要旨:鼠径部のヘルニア手術にあたっては,鼠径管と大腿管の3次元的な理解が不可欠である.鼠径管を構成するのは体表側から順に外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋,横筋筋膜の4層であり,それぞれ外腹斜筋腱膜(脚間線維)は前壁を,同腱膜から移行する鼠径靭帯は下壁を,内腹斜筋と腹横筋腱膜弓は上壁を,さらに横筋筋膜(と腹横筋腱膜線維の一部)は後壁を担っている.また,大腿管は横筋筋膜から続く大腿血管鞘の大腿静脈と裂孔靱帯との間隙である.病的な状態であるヘルニアは,腹膜が腹膜下筋膜を伴った構造のまま袋状に伸展し,横筋筋膜を被った状態で脱出したものである.
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