特集 外科栄養療法の新たな潮流
〔特集によせて〕栄養管理法のトレンド
大柳 治正
1
Harumasa Ohyanagi
1
1近畿大学医学部外科
pp.548-549
発行日 2005年5月20日
Published Date 2005/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100079
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近代的な臨床栄養管理法は,1950年代のspace dietの研究および1960年代の経静脈栄養法の開発を契機として1970年代に一般化したものである.その後,代謝・栄養学の進歩とあいまって,その管理法は最も基本的な治療手段の1つとして確立されてきた.経静脈栄養法,経腸栄養法ともそれぞれの特徴がほぼ明らかにされ,各種病態における至適投与カロリー量や組成などにはまだ議論の余地はあるものの,エネルギー源投与の手段としては定着している.
一方,種々の病態における代謝的特徴が解明されるにつれて,栄養基質による疾病の治療手段として病態別栄養管理法の分野が開け,さらに一部の栄養基質による免疫能増強作用が脚光を浴びるようになってきた.また,実地の栄養管理法においてチーム医療としてのnutrition support team(以下,NST)の有用性が証明され,クリニカルパスなどの導入も始まり,栄養療法が再び大きく飛躍する潮流ができてきたように思われる.
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