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特集 生体運動の分子機構/研究の発展
特集によせて
Introductory remarks
丸山 工作
1
Koscak Maruyama
1
1千葉大学理学部生物学教室
pp.83-84
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905103
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- Abstract 文献概要
生体運動の分子的機構をめぐって,現在,多くの研究者がまったく新しいアイデアから迫ろうとしている。定着していた通説がくずれたり,予想もされなかった運動分子が発見されたからである。
筋収縮といえば滑り説で解釈するというのが常識となっている。高校の生物教科書にもでており,みんながその通りとみなしている。アクチンとミオシンの両フィラメントがATPのエネルギーを使って互いに滑走する。この滑り説が事実であると証明されたのは,じつは,シャジクモのゲル層に方向をそろえて埋め込まれているアクチンフィラメント上をミオシンが動いていくことを示したJ.A.spudichらの研究(1985)である。筋肉の筋原線維でも確かめられ,方向性をもった滑りは実証された。
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