Japanese
English
臨床報告・2
直腸静脈瘤に対するPPH(R)の使用経験
An experience of using PPH(R) for rectal varices
河原 秀次郎
1
,
良元 和久
1
,
伊藤 隆介
1
,
柏木 秀幸
1
,
平井 勝也
2
,
矢永 勝彦
2
Shujiro KAWAHARA
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院外科
2東京慈恵会医科大学外科
キーワード:
直腸静脈瘤
,
procedure for prolapse and hemorrhoids(PPH(R))
Keyword:
直腸静脈瘤
,
procedure for prolapse and hemorrhoids(PPH(R))
pp.526-527
発行日 2005年4月20日
Published Date 2005/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100077
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はじめに
直腸静脈瘤は肝硬変などの門脈圧の亢進に伴う上直腸静脈,あるいは中下直腸静脈との側副血行路として肛門管口側に連続した静脈の怒張として出現する1~3).その発生頻度は門脈圧亢進症の16~89%とされ,報告にかなりの差がみられる.合併症としての出血の頻度は直腸静脈瘤の0.45~3.6%4,5)とされ,比較的稀ではあるが,ひとたび出血が生じると出血量が多く,止血に難渋し,致死的な疾患になりうることもある.治療法としてはこれまで根治的なものはなく,内視鏡的静脈瘤結紮術や内視鏡的硬化療法が広く用いられてきた.今回,筆者らは直腸静脈瘤に対しprocedure for prolapse and hemorrhoids(PPH(R))を用いて粘膜下層の血流を遮断し,静脈瘤自体を切除した.本治療法は今後直腸静脈瘤に対する有効な治療法の1つとなりうると考えられたので報告する.
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