特集 救急IVR手技詳説 with WEB動画
手技詳説編
●血管IVR―腹部
直腸静脈瘤
丸野 美由希
1
,
清末 一路
1
1大分大学医学部附属病院 放射線部
キーワード:
直腸静脈瘤
,
PTO
,
BRTO
Keyword:
直腸静脈瘤
,
PTO
,
BRTO
pp.1460-1465
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000669
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直腸静脈瘤は,門脈圧亢進症が原因となり発達する側副血行路の一つで,食道・胃静脈瘤以外の異所性静脈瘤の中では44.5%に認められる頻度の高い静脈瘤の一つである1)。破裂の危険性は0.5~5%程度2-4)で,食道・胃静脈瘤と比較し破裂の頻度は低いが,破裂した際には大量出血をきたしうる病態で,致死的となる可能性もある5)。しかしながら,その標準的治療は確立されていないのが現状で,内視鏡治療やIVR(interventional radiology),外科的治療,またそれらの集学的治療などが報告されている。内視鏡治療は破裂時の一次止血には有効な治療法であるが,サイズの大きな静脈瘤への施行は困難で,また単独では,33~55%の再発率の報告もあり6),根治的にはIVRを追加することが望ましいと考える。ただし,直腸静脈瘤は流入・流出静脈が多数存在する複雑な血行動態を呈し,IVRの手技にも確立された方法はなく,散発的な症例報告を認めるのみである。
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