Japanese
English
特集 タウ蛋白をめぐって
4.タウ蛋白の異常と痴呆症—神経変性メカニズムの理解
Tau Protein Abnormality and Dementia:The Mechanisms of Neurodegeneration
田中 稔久
1
,
武田 雅俊
1
Toshihisa Tanaka
1
,
Masatoshi Takeda
1
1大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
1Department of Psychiatry and Behavioral Science, Osaka University, Graduate School of Medicine
キーワード:
tau protein
,
neurofibrillary tangle
,
neurodegeneration
,
dementia
Keyword:
tau protein
,
neurofibrillary tangle
,
neurodegeneration
,
dementia
pp.777-787
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902000
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はじめに
アルツハイマー病の神経病理学的所見である神経原線維変化の主要構成成分がタウ蛋白であることが判明してから約15年になる。タウ蛋白は微小管付随因子として知られ,アルツハイマー病におけるタウ蛋白は高度にリン酸化されていること,さらにユビキチン化されていることなどが知られ,大きな注目を浴びてきた。その後,タウ蛋白の異常は多くの痴呆性疾患と密接に関わることが判明してきた。ここでは,それらの痴呆性疾患とタウ蛋白の変化の特徴をまとめ,さらにタウ蛋白の変化と神経変性とがいかに結びつくかについて現在までの考え方や仮説を述べてみたい。
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