Japanese
English
総説
ブレインバンク
Brain Bank
村山 繁雄
1
,
齊藤 祐子
2
Shigeo Murayama
1
,
Yuko Saito
2
1東京都老人総合研究所高齢者ブレインバンク
2東京都老人医療センター剖検病理科
1Department of Neuropathology, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
2Department of Pathology, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
キーワード:
neuropathology
,
neurodegeneration
,
dementia
,
Alzheimer's disease
,
Parkinson's disease
Keyword:
neuropathology
,
neurodegeneration
,
dementia
,
Alzheimer's disease
,
Parkinson's disease
pp.1075-1084
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100408
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I.なぜブレインバンクが必要なのか?
脳はヒト進化の最終段階にある臓器であり,いかなる動物実験の結果も,最終的な確認はヒト脳を用いる必要がある。解剖学的に,ヒトに最も近いチンパンジーを用いても,解剖学的構造はいうに及ばず,言語機能をはじめ,ヒト特有の機能は共有できない。
例えば,動物実験で最も用いられる機会の多いマウスにおいては,嗅脳が最も発達しているが,ヒトの相同構造は嗅球であり,ヒト脳全体の中では僅少な部分である。嗅脳には神経幹細胞が存在するとして現在脚光を浴びており,基礎科学者より嗅球を希望する共同研究計画が寄せられている。しかし果たしてヒトの場合,齧歯類のデータがどの程度回帰できるのか,疑問といわざるを得ない。
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