トピックス
タウ蛋白と免疫染色
村山 繁雄
1
,
齊藤 祐子
2
1東京都健康長寿医療センター高齢者ブレインバンク
2国立精神・神経医療研究センター臨床検査部
pp.749-751
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103626
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■タウの生理学的機能
タウは,微小管関連蛋白の一つで,微小管と結合し,その安定化に寄与する.タウは正常でもリン酸化されているが,リン酸化の生理的意義については,微小管との結合の調整に関与しているらしいことが,仮説として提唱されている.リン酸化されたタウは,胎児では量が多い.また,死後速やかに脱リン酸酵素でリン酸基が外れることがわかっている.しかし,外科材料の場合はこれが当てはまらない.
タウは17番染色体に存在する一つの遺伝子にコードされているが,スプライシングにより,六つのアイソフォルムが存在する(図1).それらは微小管結合部位が3か所か4か所かにより,3リピート(3R)タウと,4リピート(4R)タウに分類される.3Rタウと,4Rタウは,細胞内ではほぼ1:1であることが明らかとなっている.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.