Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
MRI所見が診断のきっかけとなった家族歴が不明で高齢発症の歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の1例
A Sporadic Case of Dentatorubral-Pallidoluysian Atrophy Diagnosed by MRI Findings
鈴木 大成
1
,
冨安 斉
1
,
本川 正浩
1
,
杉戸 健二
1
,
鈴木 敏行
1
1刈谷総合病院内科
pp.170-171
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901910
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
症例 65歳男性。父親が50歳で,母親が48歳で亡くなっているが,家系内に類症はいない。
平成12年5月頃(64歳),構音障害に家族が気づいていたが,自覚はなかった。平成13年1月19日畑仕事中にふらつきを自覚し前医受診,小脳梗塞の疑いで当院へ転院し入院となった。入院時の一般身体所見は特記すべき異常なし。多弁でおせっかいな性格。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは25/30。Wechsleradult intelligence scaleは総合IQ72(言語性IQ85,動作性IQ67)。軽度の構音障害を認めた。眼球運動は軽度上転制限があるが,眼振や粘着性緩徐眼球運動は認めなかった。四肢の運動失調は軽度で,歩行は一見正常だが継ぎ足歩行は不可であった。感覚系に異常なく,Romberg徴候陰性。四肢の腱反射は左膝蓋腱反射がやや亢進している他はIE常。Babinski徴候は両側陽性であった。頭部MRIは,脳幹と小脳に軽度萎縮を認めた。T2強調,プロトン密度画像で大脳深部白質,橋底部と中脳に高信号域を認めた(図)。視床には病変を認めなかった。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.