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症例呈示
症 例 68歳,女性。1932年3月23日生
現病歴 元来,働き者で夫とともに研磨剤の店を切り盛りしていた。1990年(58歳)頃から物忘れが出現,取引先からの伝言を伝えられなくなった。1993年には自分のバッグを置き忘れ「盗られた」と大騒ぎすることがあった。1994年某院で脳波,CTを施行されたが異常なしといわれる。この頃より着衣困難が出現し,その後急速に症状が進み,食事の際箸を上下逆さまに使う,御飯をお釜から手づかみで食べるなどの行動がみられるようになった。徘徊も著しく一カ所にじっと座っていることができない,時に外に出てしまう,電話が掛かってくると受話器は取るが,人を呼びに行く間にそのことを忘れてしまう,1995年頃より食べ残しをタンスなどにしまってしまう,トイレの場所がわからずところ構わず放尿,風呂にはいるといきなり浴槽に飛び込み,すぐにあがってしまうなどの行動が目立つようになった。機嫌はよく怒ることはほとんどない。1996年1月19日(64歳)に初石病院に入院となった。
We report a 68-year-old woman who developed progressive dementia and parkinsonism. She was well until 1990 when she was 58 years of age. She started to show memory loss. Four years later, she developed difficulty in dressing and behavioral problems such as eating rice with her hands, going out of her house without purposes, and difficulty in finding the rest room in her house. She was admitted to the neurol-ogy service of Hatsuishi Hospital on January 19, 1996, when she was 64 years of the age.
On admission, she was alert but markedly de-mented.
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