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はじめに
Machado-Joseph病(MJD)は,常染色体優性遺伝形式をとる脊髄小脳変性症の一つであり,ポルトガル領アゾレス諸島からのアメリカ移民で最初に報告されたが,現在では本邦をはじめポルトガル,アメリカ,インドなど世界中に分布していることが知られている31,48)。本邦におけるMJDについては,病理学的にみると欧米のMJDに比して淡蒼球・ルイ体(視床下核)の病変の程度が著明であることより,欧米で報告されているMJDと同じ疾患とすることに慎重な意見もあるが3,10),近年の分子遺伝学の進歩によりMJDの遺伝子座(第14染色体長腕14q24.3-q32)が決定され39),アゾレス諸島出身のMJDでも同様の結果が得られ34),これらは同一の疾患であることが証明された。
一方,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral-pallidoluysian atrophy,DRPLA)の疾患概念には幾分の混乱がみられる。すなわち,1975年にSmith33)が報告した症例,平山ら7)が提唱した三つの病型分類,内藤・小柳ら23)が確立した遺伝性DRPLA(HDRPLA)などが知られている。
Hereditary dentatorubral-pallidoluysian atrophy (HDRLA), established by Naito and Oyanagi, and Machado-Joseph disease (MJD) are both autosomal dominant spinocerebellar degeneration. Pathologically, both have the degeneration of pallido-subthalamic and dentatorubral system. HDRPLA is characterized by the neurological signs as epilepsy, myoclonus, cerebellar ataxia, dementia and choreoathetosis, on the other hand, MJD is by the signs as spasticity, cerebellar ataxia, ophthalmoplegia, muscle atrophy and dystonia.
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