左後頭葉に陳旧性脳梗塞を伴う両側性側頭葉てんかんの1手術例

An Operated Case of Bitemporal Lobe Epilepsy Associated with Old Infarction in the Left Occipital Lobe

　左後頭葉に陳旧性脳梗塞を伴う両側側頭葉てんかん（bitemporal lobe epilepsy：BTLE）の1例を報告した。1歳1カ月時の熱性けいれん後，左後頭葉に脳梗塞を生じ，9歳時より難治性の複雑部分発作を起こすようになった。発作時頭皮上脳波では，側方性の診断はできなかったが，MRIでは脳梗塞病変に加え，左海馬硬化があり，FDG-PETと脳血流ECD-SPECTでは左側頭栗の代謝・血流は低下していた。アミタールテストでは記憶は両側性であった。慢性硬膜下電極記録で捕捉された19回の発作のうち，17回の発作起始は左側頭葉外側部に，2回は右側頭葉内側部に存在した。左側頭葉・海馬切除で発作は消失した。BTLEにおいても，慢性硬膜下電極記録による発作頻度の優位側とMRIやFDG-PETなどの所見が一致すれば，一側の側頭柴切除で良好な成績をあげることができる。

A 15-year-old female, who presented with bitempo-ral lobe epilepsy associated with old infarction in the left occipital lobe, was reported.