Japanese
English
特集 先天性代謝異常と脳形成異常
2.ミトコンドリア機能異常と脳形成異常
Mitochondrial Dysfunction and Brain Development Disorders
後藤 雄一
1
Yu-ichi Goto
1
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第二部
1Department of Mental Retardation and Birth Defect Research, National Institute of Neuroscience, National Center of Neurology and Psychiatry (NCNP)
キーワード:
mitochondrial DNA
,
Leigh encephalopathy
,
energy metabolism
,
apoptosis
Keyword:
mitochondrial DNA
,
Leigh encephalopathy
,
energy metabolism
,
apoptosis
pp.421-426
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901768
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はじめに
ミトコンドリアは細胞のエネルギー代謝を担当する小器官である。したがってミトコンドリア機能異常とは,一般的にエネルギー産生低下を意味する。細胞にとってあらゆる生物的活動にはエネルギーが必要であり,エネルギー産生低下によって引き起こされる悪影響は多彩な細胞機能障害として表現されると予想される。言うまでもなく脳の形態形成には,神経細胞の増殖・分化をはじめ,エネルギー依存の反応系が無数に存在しているので,エネルギー産生低下による脳形成異常が起こっても何ら不思議ではない。本稿では,その代表例としてLeigh脳症を取り上げ,ミトコンドリアDNA異常の特徴などを含めた病因の多様性を解説する。
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