今月の主題 ミトコンドリア病
話題
癌とミトコンドリア遺伝子異常
西川 学
1
,
井上 正康
1
Manabu NISHIKAWA
1
,
Masayasu INOUE
1
1大阪市立大学大学院医学研究科基礎医科学専攻分子病態学
キーワード:
癌
,
ミトコンドリア遺伝子
,
活性酸素
Keyword:
癌
,
ミトコンドリア遺伝子
,
活性酸素
pp.72-77
発行日 2005年1月15日
Published Date 2005/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100194
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1. はじめに
近年,多数の癌遺伝子や癌抑制遺伝子がクローニングされ,発癌の分子機構が飛躍的に解明されつつある.しかし,これらの遺伝子の異常が発癌の第一義的原因であるケースは限られており,総括的な発癌の分子機構には依然として不明な点が多い.最近,癌組織でミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の変異が蓄積している現象が判明し,発癌におけるmtDNA変異の意義が注目されている.本稿では,肝発癌とミトコンドリア遺伝子変異に関してわれわれの研究室での知見を中心に紹介する.
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