Japanese
English
特集 血管内手術の進歩
4.急性期脳血栓症
Neuroendovascular Treatment for Acute Thrombotic Stroke
江面 正幸
1
,
高橋 明
2
Masayuki Ezura
1
,
Akira Takahashi
2
1広南病院血管内脳神経外科
2東北大学大学院医学系研究科神経科学神経病態制御学分野
1Department of Neuroendovascular Therapy, Kohnan Hospital
2Division of Neuroendovascular Surgery, Graduate School of Tohoku University
キーワード:
cerebral thrombosis
,
diffusion MRI
,
percutaneous transluminal angioplasty
,
stent
,
therapeutic window
Keyword:
cerebral thrombosis
,
diffusion MRI
,
percutaneous transluminal angioplasty
,
stent
,
therapeutic window
pp.581-587
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901623
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はじめに
脳血管撮影がほぼ唯一の診断方法であった時代からX線CTの時代を経て,現在ではさまざまな非侵襲的手段で,虚血性脳血管障害を診断できるようになってきた。X線CTが開発されたのが1972年であるから,そこから現在まで,わずかに四半世紀を要したに過ぎない。脳血管の非侵襲的撮像法もMRA,3DCTAと格段の進歩を遂げており,現在の先進技術をもってすれば,診断方法としての脳血管撮影はもはや必要ないといってもいい程である。
しかし,診断手段としての存在意義を減じていった脳血管撮影は,有効な治療手段の一翼を担うことで,存在価値を見い出している。本号で特集されている血管内手術あるいは血管内治療といわれる分野がそれである。血管内治療は,その発展の経緯から容易に想像がつくとおり,診断のための脳血管撮影に引き続いて行えることが特徴のひとつである。この点,急性期脳梗塞症例は,診断から治療に移行するまでに許される時間的猶予が非常に限られるため,血管内治療で対処することが理に適った病態である7)。実際,急性期における血管内治療が最も効果を発揮するのは,心原性脳塞栓症に対する超選択的局所線溶療法であるが,これについては以後予定されている本誌特集『脳梗塞に対する血栓溶解療法』の「局所血栓溶解療法」にて単独に扱う予定であるので,本稿では急性期脳血栓症における血管内治療について概説する。
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