Japanese
English
総説
脳室周囲白質軟化症の形成機序と神経可塑性
Periventricular Leukomalacia:Etiology, Pathology and Plasticity
岡 明
1
Akira Oka
1
1鳥取大学医学部附属脳幹性疾患研究施設脳神経小児科部門
1Division of Child Neurology Institute of Neurological Sciences, Faculty of Medicine, Tottori University
キーワード:
periventricular leukomalacia
,
axon
,
oligodendrocyte
,
cytokine
,
ischemia
Keyword:
periventricular leukomalacia
,
axon
,
oligodendrocyte
,
cytokine
,
ischemia
pp.589-598
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901624
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はじめに—基本概念—
脳室周囲白質軟化症(Periventricular leukomalacia;PVL)に相当する病変は,すでに19世紀半ばにParrotやVirchowらによって記載されている53〜55,68)。Parrotは大脳皮質や基底核などにあまり病変を伴わないことに注目し,脳室周囲白質という病変の分布が,血管系から離れた位置にあるためではないかと仮説を立てている55)。その後,1962年にBankerとLarrocheによる詳細かつ包括的な報告がなされ,一つの概念として確立された3)。
PVLは胎生24週から35週程度の未熟な脳が,何らかの侵襲を受けた際に生じる大脳白質病変である3,19)。後述のように,病態としては虚血による梗塞が本態と考えられるが,感染に関連した要因も注目されている。
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