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特集Ⅰ 急性期脳梗塞のガイドライン
4.急性期血行再建術(血管内治療)
Neuroendovascular Therapy for Acute Stroke
江面 正幸
1
,
松本 康史
2
,
高橋 明
1
Masayuki Ezura
1
,
Yasushi Matsumoto
2
,
Akira Takahashi
1
1東北大学大学院神経病態制御学分野
2広南病院血管内脳神経外科
1Department of Neuroendovascular Therapy, Tohoku University
2Department of Neuroendovascular Therapy, Kohnan Hospital
キーワード:
MELT Japan
,
local intraarterial fibrinolysis
,
PTA
,
stent
,
urokinase
Keyword:
MELT Japan
,
local intraarterial fibrinolysis
,
PTA
,
stent
,
urokinase
pp.937-943
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100230
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はじめに
ほとんどすべての疾患において,内科的治療と外科的治療が存在する。急性期脳梗塞においても例外ではなく,内科的治療と外科的治療が存在する。t-PA静注は,奏功する場合は劇的な改善が見込める一方で合併症が出現した場合は致死的であり,その二極性は多分に外科的であるが,侵襲性の面からは点滴静注をするだけであるので内科的治療に位置付けられる。したがって脳梗塞急性期症例に対する内科的治療は,オザグレル,アルガトロバン,エダラボン,グリセオールなどの種々の薬物療法にt-PA静注を加えたものを指す。
一方,外科的治療というと一般に脳外科手術を連想させるが,脳外科手術は全身麻酔に要する時間,骨弁を除去し硬膜を切開して病変部に達するのに要する時間が必要であり,時間との競争となる急性期脳梗塞では非常に不利な要素となる。この点,脳血管内治療では全身麻酔を必要としないこと,アプローチが簡便なこと特に診断のために脳血管撮影を行っている場合には直ちに治療に移行できること,などの利点がある。このため急性期脳梗塞に対する外科的治療は脳血管内治療が主体となる。
急性期脳梗塞に対する脳血管内治療は経動脈的局所投与法と血管形成術(PTA:percutaneous transluminal angioplasty)に分かれる。本稿では両者について解説する。
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