Japanese
English
特集 血管内手術の進歩
3.血管形成術
Percutaneous Transluminal Angioplasty
根本 繁
1
Shigeru Nemoto
1
1東京警察病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Metropolitan Police Hospital
キーワード:
angioplasty
,
stenting
,
atherosclerosis
,
vasospasm
,
cerebral artery
Keyword:
angioplasty
,
stenting
,
atherosclerosis
,
vasospasm
,
cerebral artery
pp.571-579
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901622
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Dotterら1)の経皮的な血管拡張手技の報告後,Gruntzigら7)がバルーンカテーテルを用いた経皮的血管拡張術に成功してから,四肢の動脈から冠動脈の領域では血管形成術は盛んに行われるようになり,脳動脈では他の血管に比べると血管形成術は遅れて導入された13)。脳虚血の病変としては,頸部動脈と頭蓋内動脈に分かれるが,日本人では脳梗塞の多くは頭蓋内動脈の動脈硬化性病変が多いといわれており,血行再建のためにはバイパス手術が行われ,頭蓋外頸動脈病変では内膜剥離術が行われてきた2,8,15,22)。一方,くも膜下出血後の脳血管攣縮に対して様々な治療が試みられてきたが,確立された方法がなく,マイクロカテーテル法の開発により頭蓋内動脈へのバルーンカテーテル誘導が可能となり,狭窄血管をバルーンカテーテルを用いて直接拡張する試みがなされ9,17,21,30)予想外の成果を収めたことから,脳血管攣縮に対する血管形成術が広く行われるようになった18〜20,23)。その後,動脈硬化性脳動脈狭窄に対しても適応が広げられ,頸部脳動脈狭窄に対して経皮的血管形成術が行われるようになり4,5,26),頭蓋内動脈に対しても血管形成術が行われるようになった10)。冠動脈ではステントによる血管拡張術も導入され,バルーンangioplastyに代わってステント留置が主流になりつつある11,26,27,29)。ただし,適応,治療成績など問題点も多く,未だ議論の分かれている分野である。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.