Japanese
English
特集 脳梗塞に対する血栓溶解療法の進歩
3.超選択的局所線溶療法
Superselective Local Intraarterial Fibrinolysis
江面 正幸
1
,
高橋 明
2
Masayuki Ezura
1
,
Akira Takahashi
2
1広南病院血管内脳神経外科
2東北大学大学院医学系研究科神経科学神経病態制御学分野
1Department of Neuroendovascular Therapy, Kohnan Hospital
2Department of Neuroendovascular Therapy, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
cerebral embolism
,
diffusion MRI
,
single photon emission CT
,
therapeutic time window
,
tissue plasminogen activator(t-PA)
Keyword:
cerebral embolism
,
diffusion MRI
,
single photon emission CT
,
therapeutic time window
,
tissue plasminogen activator(t-PA)
pp.865-870
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901662
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はじめに
既に他項で述べられている通り,1990年代に様々な血栓溶解療法の大規模臨床試験が行われ,1995年以降その結果が次々と発表された2,6〜9)。その多くは血栓溶解剤がある程度の効果は示すものの危険性のほうが高いということで,血栓溶解療法の有効性を証明するには至らなかった。しかし1995年に報告されたNational Institute of Neurological Disorders andStroke(NINDS)studyg9)のtissue-type plasminogen acti-vator(t-PA)静注療法は,それまでの大規模臨床試験と異なりt-PAの有効性を示した点でかなりのimpactであり,米国でのbrain attackキャンペーンのきっかけにもなった。NINDS studyはt-PAの有用性を示した点で評価されるべきstudyではあるが,一方で問題点がないわけでもない。まずNINDS studyは臨床病型を確認していないので,心原性脳塞栓症,脳血栓症,ラクナ梗塞の全てが含まれている。一般的にはこの3者は1/3ずつとされているが,t-PAが著効を示すのは脳塞栓症のみのはずなので,2/3の症例には不必要な投与をしている可能性がある。また,NINDS studyでは,発症3時間以上の症例は一律に切り捨てられてしまう。
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