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特集 家族性パーキンソン病
4.常染色体劣性遺伝形式をとる若年性パーキンソニズムのパーキン遺伝子変異解析および機能解析
The Porkin Gene and Its Product in AR-JP
服部 信孝
1
,
北田 徹
1
,
水野 美邦
1
Nobutaka Hattori
1
,
Yoshikuni Mizuno
1
1順天堂大学医学部脳神経内科
1Department of Neurology, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
Parkinson's disease
,
familial Parkinson's disease
,
autosomal recessive juvenile parkinsonism
,
parkin gene
,
Parkin protein
Keyword:
Parkinson's disease
,
familial Parkinson's disease
,
autosomal recessive juvenile parkinsonism
,
parkin gene
,
Parkin protein
pp.493-500
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901448
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はじめに
特発性パーキンソン病(idiopathic PD)の一次的原因は未だ明らかにされていないが,MPTPによるパーキンソニズムに関する研究から,その病態にミトコンドリア異常や酸化的ストレスが重要な役割を果たしていることが明らかになった。Idiopathic PDの多くは,大部分は孤発型であるが,一部家族性に発症する。このような家族内発症のあるPD患者の存在は,idio-pathic PDにおける遺伝的素因の関与の可能性を示唆するものである。さらに家族性パーキンソン病およびパーキンソニズムの存在は,単一遺伝子で黒質選択的神経細胞死が起こることを示している。このような背景から,家族性パーキンソン病およびパーキンソニズムの遺伝子同定や原因蛋白質の機能解明は重要な研究分野となっている。
近年,家族性パーキンソニズムの遺伝子座の決定や原因遺伝子の同定が急速に進んでおり,最近3つの原因遺伝子が同定された。一つはα-synuclein gene1)であり,一つはUCH-L1 gene2)であり,そしてもう一つがわれわれが単離,同定したparkin geneである。さらに,原因遺伝子は判明していないが,2番常染色体短腕3)と4番常染色体短腕に遺伝子座4)が存在している家系が存在している。
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