特集 遺伝子検索を行った皮膚病
臨床例
LIPH遺伝子変異による常染色体劣性遺伝性縮毛症の2例
城 理沙
1
,
原田 和俊
,
保母 彩子
,
坪井 良治
,
下村 裕
1東京医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
ホモ接合体
,
遺伝性疾患
,
鑑別診断
,
脱毛症-円形
,
経皮投与
,
変異
,
毛髪疾患
,
Minoxidil
,
配列分析
,
LIPH Protein
,
Marie-Unna型先天性貧毛症
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Alopecia Areata
,
Diagnosis, Differential
,
Homozygote
,
Hair Diseases
,
Minoxidil
,
Mutation
,
Sequence Analysis
,
Genetic Diseases, Inborn
,
LIPH Protein, Human
,
Marie Unna Congenital Hypotrichosis
pp.821-824
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016356567
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<症例のポイント>縮毛症(woolly hair:WH)は毛髪が不規則にかつ過度に縮れ、成長が数cmで停止することを特徴とする先天性毛髪疾患である。常染色体劣性遺伝性縮毛症は、LIPH遺伝子またはLPAR6遺伝子変異によって発症する。日本人患者におけるLIPH遺伝子変異は大部分がc.736T>Aとc.742C>Aである。LIPH遺伝子のc.736T>A変異をホモ接合子で認める例と、c.736T>Aとc.742C>Aの変異を複合ヘテロ接合子で認める例の2例を報告した。WHの報告例は少ないが、LIPH遺伝子の変異はそれほどまれなものではなく、潜在的なWHの症例が多数ある。
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