Japanese
English
特集 家族性パーキンソン病
3.Parkin遺伝子のクローニングとその機能
Cloning of Parkin Gene and Its Function
清水 信義
1
,
蓑島 伸生
1
,
浅川 修一
1
Nobuyoshi Shimizu
1
,
Shinsei Minoshima
1
,
Shuichi Asakawa
1
1慶應義塾大学医学部分子生物学教室
1Department of Molecular Biology, Keio University School of Medicine
キーワード:
Parkin
,
autosolnal recessive juveniie parkinsonism
,
BAC library
,
ubiquitin
,
ring finger domain
Keyword:
Parkin
,
autosolnal recessive juveniie parkinsonism
,
BAC library
,
ubiquitin
,
ring finger domain
pp.487-491
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901447
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はじめに
パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで症例の多い神経変性疾患である1〜4)。この疾患は振戦・筋強剛・動作緩慢・姿勢反射障害などを特徴として,通常50〜60歳代に症状が出始める。全国に約12万人の患者がいる。一方,20歳代(40歳以下)から発症する遺伝性の若年性パーキンソン病は全パーキンソン病の約5%を占める。特に今回の遺伝子発見につながった常染色体性劣性若年性パーキンソニズム(Autosomal Re-cessive Juvenile Parkinsonism:AR-JP)は臨床的特徴として顕著なL-DOPA反応・日内変動・午睡による症状の改善・ジストニアの出現・腱反射の亢進などがあり,病理学的特徴としては黒質・青斑核などの選択的細胞死・レビー小体形成の欠如が知られている(本特集・山村の項参照)。順天堂大学の水野美邦教授の研究チームは広島大学などと協力して数年来,AR-JP患者家系のリンケージ解析を行い,原因遺伝子を6番染色体のバンドq25.2-q27(マーカーD6S305-D6S253)にマップした5)。このバンド領域に相当するDNAは数Mb以上に相当するため,いわゆるポジショナルクローニングによる遺伝子クローニングの射程距離ではなかった。しかし,1個のマイクロサテライトマーカーD6S305が一人の女性患者(F218-IV-1)に欠失していることが見い出されたことによって現実化した6)。
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